休日の遅く起きた朝に @ベッドで

カーテンの隙間から差し込む初夏の朝日が、リードの顔を微かに照らす。リードは少し眩しいような気がして、「んんっ」と身じろぎをした。手探りで傍にいる筈であろう年上の美丈夫を探す。その逞しい腕はすぐに見つかり、リードは目を閉じたまま、その腕の中に潜ろうとズリズリと身体を動かした。すぐにリードの身体は抱きすくめられ、金髪の頭のてっぺんにキスを一つ落ちされた。「ふふ」と嬉しそうに笑うと、リードはグリグリと顔を毛深い胸に押し付けた。さらにぎゅうっと抱きしめられる。それが心地よくて、リードは本当に幸せな気持ちになった。今日は二人とも休日だ。もしかしたら、急な事件で呼び出されるかもしれないけれども、ホッチの携帯端末が鳴るまでは二人だけに時間だ。

「起きる気がないって感じだな」

低いものの甘いトーンの声が聞こえる。リードは目を瞑ったまま答えた。

「だって・・・幸せなんだもん・・・」

「そうか。・・・そうだな」

リードの身体を抱きしめていたその腕が静かに動き始めた。大きな掌が、リードの身体をゆっくりと弄るように撫でる。頭。耳。顔。首筋。腕。背中。腰。それがすっと上がって胸。そして。その突起。

「んっ・・・あ・・・」

昨夜、散々嬲られたそこは、まだ熱を孕んでいて感じやすくなっている。けれども、リードは逃げることなく、よりいっそう身体をホッチに擦り寄せる。小さく開いた唇から、甘ったるい声が漏れる。胸を触られただけではなく、ピッタリと寄り添ったホッチの身体の中心が高ぶっていて、それがリードの身体に触れたせいもある。はしたなくも、思わず、期待してしまう。

「・・・ん・・・ホッチ・・・おっきぃ・・・」

ホッチの手が下に降り、リードの淡い茂みに隠れた果実を握り込む。

「お前もな」

「・・・ホッチの方が凄いもん」

リードは薄く目を開けると、ホッチを見上げて笑った。

「そうかな・・・お前のここの方が凄いと思うぞ」

ホッチの手がリードの尻に回り、その双丘を割った。すぐに、昨夜思いっきり愛おしんだ場所に指を当てる。そこはジュクジュクとしていて、しっとりと濡れていた。

「すぐに挿れても良さそうだ」

リードは身体を動かすと、細い両腕をホッチに首に回した。

「僕は・・・いつだってOKだよ・・・」

「ずいぶんと積極的だな」

「・・・こういう僕は嫌い?」

「いいや。可愛らしくて、いい」

ホッチはつぷりと、リードの後孔に指を差し込んだ。

「は・・・あんっ・・・」

リードが背中と首を仰け反らせた。そこはまだ熱く、昨夜の名残が残っていた。数度、指の抜き差しを繰り返し、ぐるりと円を描くようにしてぐるりと指を回す。

「あ・・・あ・・・ホッチ・・・もっと・・・もっと、おっきいのが欲しいの・・・」

リードがホッチの顎を軽く噛むようにしながら強請る。

「ああ、いいぞ。好きなだけ、貪るといい」

ホッチはベッドに仰向けになると、自分の身体の上にリードを乗せた。リードはホッチの鍛えられた腹に指先をそっと置くと、にっこりと微笑んで、それから屈み、愛する人に口付けた。自分とは違う、鍛え上げられた身体で、頭脳明晰で、頼り甲斐があって、逞しくて、頼りになるリーダーで。・・・こんなに素敵な人が自分と同衾するなんて、最初は信じられなかった。「愛してる」という言葉が与えられるなんて信じられなかった。リードは腰を上げると、ホッチの昂りに手を添えて、そっと静かに、ゆっくりと身体を下ろした。その熱い雄を、自分の中に丁寧に招き入れるように。

「ふっ・・・あっ・・・ああっ・・・」

昨夜、充分に解された雄膣は、滑るようにホッチを受け入れ、全てを飲み込んだ。自重で奥まで届く、その素晴らしく大きな雄は、リードを喜ばせ、甘く啼かせるためにあるかのようだった。ホッチはリードの細腰をしっかりと掴み、BAUでは、ひ弱と言われる身体を支えてやる。リードは腰浮かせることと、尻をグッとホッチに押し付けることをゆっくりと繰り返した。

「はっ・・・あっ・・・ああんっ・・・あ・・・あ・・・」

ホッチは下からリードの痴態を眺めながら、広角を上げて微笑んだ。肩に掛かりそうな柔らかな巻き毛の金髪。とても賢く、美しい青年。ガラス細工のように壊れそうな、そんな精神をもっているような容姿。しかし、本当は、強い。しなやかに、強いのだ。その明晰な頭脳で、あらゆる疑問も問題も解決してしまう。BAUにはなくてはならない存在。ホッチは下から手を伸ばし、胸の飾りを軽く引っ張ってやる。

「ひゃんっ・・・んっ・・・」

ぶるぶるとリードの体が震える。何も知らなかった、無垢な青年をこんなにも淫らに人間に変えたのが自分かと思うと、誇らしくなる。カーテンの隙間から差し込む朝日に所々照らされた白い肌が扇情的だった。一生懸命に動くリード。しかし、ホッチは次第に物足りなくなってしまった。もっと、めちゃくちゃに抱き潰してやりたいと思う。手にした繊細なグラスを、突然手から落として割ってしまいたくなるような、そんな感情。それを時折、リードに対して抱いてしまう。そして、身動きができなくなるほど、抱き潰してしまう。壊れやすいガラス細工の人形を、乱暴に扱ってしまいたくなる。愛ゆえに。表現しようのない、愛情を抱えているからこその感情。ホッチは堪らなくなって、上体を起こすと、リードをベッドに縫い止めて、ニヤリと笑った。きっと自分は何処か、少し、凶暴な表情をしているのかもしれない。愛しているからこその、独占欲。自分を見上げるリードの顔は少しも歪んでおらず、恐怖の表情もない。すっかりと自分を信じ、自分を疑うことなど感がえてもいないような表情。人の身体はそう簡単には壊れない。リードもそうだ。しかし、心は脆く、すぐにでも壊れてしまうだろう。しかし、ホッチはそんなものを見たいとは思わなかった。自分を信じる顔。自分に全てを投げだす意志。自分を慕う愛情。それを独り占めしたいと思う気持ちがホッチにはあった。この青年を繫ぎ止めるためなら、自分はなんだってするだろう。

「リード・・・」

「なあに?ホッチ・・・」

うっとりとした声でリードが反応する。

「・・・時々、お前を壊してしまいたいほど、抱きたくなる」

「・・・うん。いいよ。・・・僕を壊していいよ、ホッチ。・・・僕はね、貴方になら何をされたっていいんだ。全然、平気なんだ。ただ・・・1つだけお願いがあるとしたら・・・」

「願い?」

「・・・1つだけ、願いが叶うなら・・・僕を・・・捨てないで。貴方が、ヘイリーの思い出やジャックを大切にするのはいいんだ。それはとても大事なことだから。・・・だから、貴方の心や身体のほんと僅かな隙間でいいから・・・僕を存在させて?・・・それだけでいいんだ。貴方が、僕をそうやって捨てないでくれたら・・・僕は、それだけで生きていけるから・・・」

「リード」

「・・・あはは・・・やっぱり、それって我儘が過ぎるのかな・・・ごめんなさい・・・」

「謝ることはない。・・・俺は・・・お前を捨てない。ヘイリーやジャックは別の問題だ。・・・大切の種類が違う。・・・いつか、俺とお前とジャックと3人で暮らせたら・・・そう思う」

「・・・ホッチ・・・あは・・・嘘でも嬉しいや・・・」

リードの瞳がほんの少しだけ涙目になる。ホッチはその目尻に軽いキスを落とすと、リードの左手を取り、その薬指の根元を軽く噛んだ。

「今度、この指に似合う指輪を買おう」

「ありがとう、ホッチ。嘘でも嬉しい。とっても優しい嘘だね」

リードが笑う。

「いや、嘘じゃない。ジャックと3人で買いに行ってもいい」

「・・・・・・それが・・・叶ったら・・・僕、死んじゃうかもしれない・・・天国に行っちゃう」

「今、天国に逝かせてやる。覚悟しろ」

リードの体内に穿ったままに楔を、ホッチはより一層、奥まったところへと突き立てた。

「は・・・くっ・・・んぅっ・・・」

リードはその衝撃に思わず、目を瞑った。ガツガツと突かれて、リードの身体が揺さぶられる。

「く・・・あ・・・あぐっ・・・・う・・・ううっ・・・」

「苦しいか?」

リードは首を横に振った。細くて長い脚を上げ、ホッチの腰に絡め引き寄せる。もっと、もっと欲しいと全身で強請る。

「もっと・・・滅茶苦茶にして・・・壊れてもいいんだ・・・貴方に壊されるなら・・・いいんだ・・・どんなに深い傷になっても・・・いいんだ・・・だって・・・僕は、貴方を愛しているんだから・・・本当だよ、ホッチ・・・」

息も絶え絶えになりながら、リードが言う。内壁を擦り上げてくる昂りが愛おしい。この瞬間だけは自分のものだ。今日は休日で、まだ呼び出しもない。電話がなるまで、ずっと、こうやって抱き合っていたい。二人の身体が融けて、ぐずぐずになって、何処がどちらの身体かわからなくなってしまうほどに、愛し合っていたい。

リードは熱い吐息を漏らしながら、自分の身体を蹂躙する、逞しい男の首元に顔を埋めたのだった。

to be continued