眼鏡ドクターと可愛いナース

今日は残業なしだ。俺は先に帰ってる。

なんて、物珍しいメッセージを受け取って、マイクは正直驚いた。残業なし。しかもハーヴィーが早く帰る。そんなこと、1ヶ月に何回ある?

マイクは、一体どういう風の吹き回しかと思いつつ、メッセージの裏を読み取ろうとする。が、如何せん情報が少な過ぎる。ハーヴィーの思惑をドナに聞こうと思ったが、彼女もデートで、すでに事務所にはいない。

けれども。

どう考えても、家に来いってことだよなぁ・・・とマイクは思った。そうでなかったら、ハーヴィーがこんなメッセージを送ってくるわけがないからだ。

マイクは、「ふむ」と一瞬だけ考えると、ハーヴィーの家に行くことにした。

「ハーヴィー、いる?いるよねー?」

マイクがハーヴィーのペントハウスにノックもせずに入り、名前を呼ぶ。

「こっちだ」

とリビングの方から声がするので行ってみると、ハーヴィーがキッチンカウンターで酒を飲んでいた。カウンターテーブルには若干のツマミ。

「簡単なものしか用意しなかったが、夕食がまだなら、何か作るぞ?」

「え?あ、ああ・・・いいよ。大丈夫。ルイスに押し付けられた仕事をする前に、バーガーを食べたから、そんなにお腹は空いてないんだ。でも・・・なんか、それ、美味しそう」

「ただのカナッペだぞ」

「うん。でもさ、いろんなのが乗ってるじゃん。食べていい?」

「酒は?」

「それは、もちろん」

「注いでやるから、つまんでろ」

「ありがと、ハーヴィー」

メッセンジャーバッグとジャケットをソファに放り、ネクタイを緩めると、キッチンカウンターの椅子に座ってカナッペを指で摘んだ。

「んー!!!美味しい!!!スモークサーモンとクリームチーズの相性って最高だね!」

そんなマイクの側にハーヴィーはスコッチの入ったグラスをトンっと置いた。

「ありがと、ハーヴィー。ねえねえ、この生ハムも美味しいね」

「ハモンセラーノだ」

「へ?プロシュートじゃないの?」

「それはイタリア産だな。ハモンセラーノはスペイン産だ」

「へぇ・・・初めて食べるかも」

もぐもぐと口を動かしつつ、スコッチで喉を潤す。

「面倒な仕事をルイスに押し付けられたのか?」

「そうでもないよ。だから、結構早い時間にここに来たでしょ?」

「それもそうだな」

「それよりも、仕事人間のハーヴィーが残業しないなんて、珍しいよね。どうしたの?何かあった?」

「別に。まあ、たまにはこんな夜もあっていいだろう。明日は休みだしな」

「あー!1週間、本当に働いたよ!明日はベッドでゴロゴロしてたい・・・」

「それもいいな」

「・・・ハーヴィー。ベッドでゴロゴロと、セックスは別物だからね?」

「それはセックスの後でゴロゴロしたいという意味か?」

「セックス無しでゴロゴロしたいの!たまにはゆっくりさせてよ~」

「ふうん。まあ、たまには、君の言い分を聞いてやらないこともない」

「・・・今日のハーヴィー、何か変。本当に変」

マイクは肩を竦めて、またスコッチに口を付けた。

「はぁ・・・1週間の疲れが溜まってるのかなぁ・・・。何だか眠くなって来た・・・」

「ベッドに行くか?」

「んー・・・そういうじゃなくて。・・・その・・・さ、ハーヴィーとはセックスしたいの。だから・・・うん、ちょっとソファで仮眠する。1時間したら起こして?」

マイクがトロンとした瞳で、首をカクンと横に倒して笑顔を浮かべる。

「わかった。起こしてやる」

「ありがと」

マイクはカウンターの椅子から降りて、フラフラとソファへ行き、倒れるようにして、寝転んだ。すぐに、くぅくぅと寝息を立てる。その様子をハーヴィーが笑顔を浮かべて眺めていた。そう、悪魔みたいな、笑みを浮かべて。

「んー・・・んんんん・・・・ん?」

マイクは、ぼんやりと目を開けた。少し、頭が痛むような気がする。ハーヴィーの家に来て、カナッペを食べて、スコッチを飲んで、何だか眠くなって・・・ああ・・・仮眠をするから、起こしてって、ハーヴィーに頼んだところまでは覚えている。けれども、もう、部屋は日光で明るい。どうやら、もう朝らしい。起こしてくれなかったのに起きなかったのか、それとも・・・。

「あれ?」

マイクは、思った。場所はソファだが、少し大きめのTシャツとボクサーパンツ姿だ。きっとハーヴィーが着替えさせてくれたんだろう。ということは、ハーヴィーは起こしてくれたのに、自分は起きなかった、ということだ。失敗したなー・・・と思いながら、マイクは頭を抱えた。

「起きたか?」

爽やかなバリトンが聞こえる。

「あー・・・ごめん、ハーヴィー。結局、寝ちゃったね。着替えさせてくれた?ありがとう」

「疲れが溜まってたんだろう。全然、起きなかったからな」

「ごめん」

「気にするな。それよりも、シャワーでも浴びてこい。スッキリするぞ。着替えはバスルームにおいておくから」

「うん。ありがと。ごめんね、迷惑をかけて」

「別に迷惑じゃない。いいから、行け」

「うん」

マイクは申し訳なさいっぱいの表情で、リビングを後にした。

シャワーブースで、スポンジにボディソープを泡だてながら、何だか自分の体に違和感を感じた。軽い頭痛はソファでの寝相が悪かったからかな?と思う。胃の調子が悪いわけでもない。変なものは食べていない。体調不良とは違う、変な感じ。それが何なのかがわからない。マイクは考え考え、体を洗った。そして、下半身を洗おうとした時・・・。

「え?・・・え?・・・ええええええええええええ!?えーっ!!!!????」

マイクは、愕然とし、泡だらけのスポンジを床に落とした。

「ハーヴィー!!!!!!!!!」

マイクの悲鳴と、自分の名前を呼ぶ声に、NY No. 1クローザーは微笑んだ。「ようやく気づいたか」と。読んでいた新聞をローテーブルに放り投げると、立ち上がってバスルームに向かった。そこには、腰にバスタオルを巻いて、ワナワナと震えているマイクが立っている。想定内の反応だった。

「マイク。泡はちゃんとシャワーで流さないと」

「説明してっ!!!!」

「何を?」

「な、何をって・・・わっ・・・わかるでしょっ!!!!!!」

確信犯的にニヤニヤと笑うハーヴィーにマイクが怒鳴る。

「んー、わからないなぁ・・・」

「ハーヴィーっ!!こんなことするの、貴方しかいないでしょっ!!」

「こんなことって?」

「言わせないでよっ!恥ずかしいんだからっ!」

叫ぶマイクにハーヴィーが近づき、バスタオルに指を引っ掛けて、それを床に落としてやった。

「わっ!やっ!ちょっと!」

慌ててマイクがバスタオルを拾うとするのをハーヴィーが邪魔をする。そして、マイクの体を広い大理石の洗面台に押し付けた。

「君がさっきから騒いでいるのは、ここのことか?」

そう言って、ハーヴィーがマイクの股間をするりと撫で上げた。そう、滑らかな皮膚を。

「やっ・・・」

マイクが眉を顰める。

「綺麗だな。さすが、日本製だ。保湿成分配合で肌にも優しいと書いてあったが・・・ヒリヒリしたり痒くなったりしていないか?」

「それは・・・してないけど・・・って!そうじゃなくて!!!貴方、一体、僕に何をしたの!?」

「何って・・・除毛だが?安心しろ、アンダーヘア専用の除毛クリームを使ったから。それにしても睡眠導入剤の威力は凄いな。俺が何をしても君は起きなかった」

「はぁっ!?何?昨日のお酒に薬まで盛ったの?それって、ドラッグレイプだよ!!!しかも!何でっ!除毛なんかするのっ!!!!必要ないでしょ!!!!」

「まあ、まあ。いつまでもそんな格好でいると風邪をひくぞ。ちゃんと泡を流して、体を拭け。そして着替えろ。温かいコーヒーがいいか?それともアイス?それから、俺は除毛しただけで、セックスはしていない。それは意識がある人間相手の方がいいからな」

「最低っ!!!今、僕はとってもショックで怒ってるの!アイスにしてっ!!!!もう、出てってよ!!」

「呼ばれたから来ただけなのに」

「もう、いいよっ!!!!」

体を押されて、ハーヴィーはバスルームから追い出される。すぐにシャワーの音がした。

マイクは肩を落としてため息をつきながら、体の泡をシャワーで落とした。視界に入る自分の下半身が情けない気がする。しかも自分に睡眠導入剤まで飲ませて。メイド服やらうさぎ耳やらで、以前からハーヴィーは「変態さん」だとは思っていたが、まさか、自分を眠らせて除毛までするとは。けれども、除毛されてしまったものは仕方がない。すぐには元には戻らない。しかし、ハーヴィーにはお仕置きが必要だ。今日はこれでさっさと自分のアパートに帰ってしまおう。

マイクはシャワーコックを捻って止めて、ブースを出ると丁寧にバスタオルで体を拭いた。できるだけ自分の下半身を見ないようにしながら。大理石の台の端に置いてある着替えが目に止まる。薄いピンク色の服。Tシャツとジーンズかな・・・と思いつつ、その服を手に取って、マイクは再び絶叫した。

「呼んだか?」

ハーヴィーが再びバスルームに現れる。

「何!この服!意味わかんない!!!!!」

「ジャパニーズ・ナース・ユニフォームだが?」

「だから!何でナースなの!?しかも、このミニ丈!!!!!それに・・・どうして、ニーハイがあるの!!!しかも・・・この下着は何なの!!!!?????」

「ミニスカートにニーハイソックスは必需品だし(俺的には)、白いオールレースヒップハングショーツは清楚な感じがしていいだろう(俺的には)」

「絶対に着ないからね!!!!」

「着替えはそれしかないぞ?」

「昨日の僕のスーツがあるでしょっ!!!!」

「ああ。鍵のかかったクローゼットの中にな」

「開けて」

「断る」

「・・・・・・・じゃあ、僕、ここから出ないからねっ!!!!!もうっ、出てっってよ!!!」

再度、バスルームを追い出される。ハーヴィー。しかし、これも想定内である。ハーヴィーは、寝室のクローゼットへと向かった。

そして、5分後。ハーヴィーは三度、バスルームへと入った。

「出てってよ!入ってこないで!」

プンスカ怒っているマイクの声。背中をハーヴィーに向けている。

「マイク。悪かったから、こっちを見ろ」

「やだ」

「・・・ほぅ・・・俺が眼鏡をかけているのに?」

「うっ・・・最低・・・自分が眼鏡をかければ、僕がどんな格好でも甘んじてするとでも思ってるわけ?僕はそんなに単純じゃないからね!!!!!!」

と言いつつ、マイクは振り向いた。そして、さらに悪態をつこうとした口が半開きになる。そして。

「・・・うっそ・・・めっちゃ・・・かっこいい」

「それは知ってる」

今のハーヴィーは眼鏡をかけているだけではなく、三つ揃いのスーツのジャケットの代わりに白衣を着ている。なおかつ、首にはステートまでかけている。要するに、医者のコスプレ状態なのだ。

「で?今の俺は可愛いナースを募集中なんだが?」

「・・・ハーヴィー・・・その作戦って・・・卑怯・・・」

「どうする?」

「・・・・・・うー・・・もうわかったよ!!!!着ればいいんでしょ!!!着れば!!!!」

マイクはヤケクソ気味に叫んだ。

「手伝ってやろう」

ハーヴィーは自分の思い通りに事が運び、満足気に微笑んだ。

薄ピンクのナース・ワンピースは中心ではなく、少し左側にボタンが付いていた。襟は白い丸襟で、少し膨らんだ袖口も白い。ハーヴィーは器用にナースキャップを折り畳むと、マイクの髪にピンで留めた。ショーツとニーハイソックスに関しては、「恥ずかしいから」という理由で、ハーヴィーに背を向けて、マイクが自分で身に付けた。

「・・・ほんと・・・いつも思うんだけど・・・何なの、このフィット感」

「言っただろう。君のサイズは熟知している。完全オーダーメイドだ」

「ハーヴィー・・・それは胸を張っていう事じゃないと思う」

バスルームを出た2人はキッチン。カウンターでコーヒーを飲んでいた。ハーヴィーはホットだが、マイクはアイスだ。しばしバスルームに立て籠もっていたので、暑くなってしまったらしい。ストローでアイスコーヒーを飲みながら、マイクがチラチラとハーヴィーを見る。

「どうした?」

「・・・全然、弁護士に見えない。医者でいけるよ、ハーヴィー」

「そうか。君も完璧なナースだぞ」

「それはないからっ!!」

「俺の専属だからいいんだ。まあ、俺も医者の格好をしているんだから、これでおあいこだろう?」

「・・・精神的苦痛の度合いが違うと思う。なんかもう、朝から疲れた。今日はダラダラしようって決めてたのに・・・」

「今日は休診日で患者は来ないから、存分にダラダラできるぞ」

「何なの、その設定は」

ようやくマイクは微かに笑う。眼鏡ハーヴィーは当然いつものように格好いいのだが、今日はそこに加えて白衣姿だ。ベクトルの違う格好良さがある。

「ハーヴィーの格好良さは反則技だよね」

「君のナース姿も可愛いぞ」

「それはないから」

マイクはきっぱりと言い放った。これを可愛いというハーヴィーはやっぱり「変態さん」である。

「さて、じゃあ、遊ぶとするか」

椅子から降りたハーヴィーがマイクに近づき、その顎を掴んだ。

「ダラダラするんじゃなかったの?先生」

「運動した後の方が、ゆっくりダラダラできるだろう」

ハーヴィーがニヤリと笑った。そして、マイクに口付けながら、手のひらを太腿へと這わせ、ゆっくりとナース服の中に侵攻させていった。その手はすぐに軽く開かれた足の間へと移動する。

「あっ・・・ん・・・」

「ヘアがなくなったら、敏感になったか?」

「ちっ・・・違うよっ・・・なんか・・・その・・・レースの感触が・・・やんっ・・・」

ハーヴィーはナース服の裾を捲り上げ、ショーツの中心を見つめた。すっかりヘアがなくなっているので、レースの中で主張し始めた薄桃色の膨らみがよく分かる。ハーヴィーはそこを指の背で撫で上げた。

「ひゃっ・・・あ・・・ハーヴィー・・・まさか・・・この下着を履かせるために・・・除毛した?」

「・・・・・・」

「その無言は・・・正解なんだね?・・・もう・・・何でそこまで・・・」

「俺は完璧を求めたいんだ」

「ほんと・・・変態さん・・・んんっ・・・」

ハーヴィーに首に絡めた腕に力が籠る。もっと強く触って欲しいと願う。

「マイク?」

「んー・・・もう・・・いいよ。今日も僕の負け。しよ・・・セックス・・・」

マイクは諦めたように、ハーヴィーの首に鼻先を擦りつけた。何をどう頑張ったって、この上司には敵いっこないのだ。

「いい子だ。察しのいいナースは大好きだな」

「優しくしてよね、スペクター先生」

「俺はいつだって優しいだろう」

そう言うと、マイクの中心を触れる手に力を込めた。

「ああっ・・・んん・・・」

マイクはもっとよく触れてもらえるように、片足を上げて、踵を椅子に乗せる。

「大胆なナースでいいな。高評価だ」

気を良くしたハーヴィーが、レースショーツの上から揉みしだいてやる。ヘアがないことと、レースの感触。いつもと同じように触れられているはずなのに、感覚が違う。レースの中で主張をし始めているマイクを、繊細な指の動きで煽ってやる。

「や・・・脱がせて・・・くれない?」

「ダメだ。ショーツはこのままがいい」

「でも・・・汚しちゃうよ・・・」

「いいから」

そのまま、レースショーツの上からの刺激を強めてやる。レースがマイクに擦れてしまって、それでも感じているらしい。マイクは首を左右に振ったり、鼻先をハーヴィーに擦り付けたりしながら、意識を逸らそうとするが、気持ちの良さの前にはそれも叶わず、ただ、快楽を追い求めるしかなかった。すっかり完全に形を成したマイクが、レースを押し上げる。

「ああ・・・も・・・無理ぃ・・・イく・・・イっちゃう・・・」

「ああ、いいぞ。とても可愛らし、いい顔だ」

レース越しに、ハーヴィーの手の中に白濁を吐き出すと、マイクはほっと力を抜いた。それでも自然なにぶるりと体が震える。レース生地はマイクの放った物を全て吸い取ることはできず、ハーヴィーはマイクの精液で濡れた指を、マイクの虚ろな目の前でわざと舐めて見せた。

「う・・・やだ・・・も・・・やめて・・・恥ずかしい・・・」

「医者として、大切なナースの健康状態を確かめているだけだ」

「うううううう・・・・」

椅子から足を下ろしたマイクは、ハーヴィーの白衣の襟を掴むと、その胸に顔を埋めた。

「健康状態に異常はないようだが・・・予防接種をしておくか?」

「・・・予防・・・接種・・・?」

何のことかわからないというように、マイクは首を傾げてハーヴィーの顔を見る。

「ほら・・・ここに・・・」

ハーヴィーは濡れた指をレースショーツの後ろに潜り込ませると、その割れ目を軽く開いた。

「・・・そこに注射って・・・うう・・・スペクター先生・・・変態」

言いながらも、マイクも興に乗って来たようだった。あえて、ハーヴィーを先生と呼ぶ。

「スペクター先生はいいが、変態は余計だ。エッチなナースのくせに」

「そんなことないもん」

軽く口を尖らせるマイクの双丘をさらに指で割ってやる。精液で濡れた指は、難なく、つぷりと中へと入っていった。

「あっ・・・ああん・・・」

マイクが軽く首を仰け反らせる。ハーヴィーはその首筋に吸い付いた。そして、くっきりと跡をつけてやる。ワイシャツの襟でギリギリ隠れるか、隠れないかという微妙な場所に。いつもなら、朱痕をつける場所には制限をかけるマイクだが、今はそんなことに気が回らないらしい。自分の中で蠢くハーヴィーの指に神経を集中させている。レースショーツの中で、再び自分が勃ち上がっていくのがわかる。

「はっ・・・んっ・・・ね・・・スペクター・・・先生?」

マイクが両手の指をハーヴィーの顔に添えて、その黒縁の眼鏡をかけた顔を潤んだ瞳で見つめる。マイクの大好きな顔だ。格好良くて、仕事のできる弁護士。いや、今は医者だった。

「僕・・・具合が悪いかも・・・だから・・・太い注射にして?」

「それは大変だ。大切なナースが病休をとったら、仕事に差し支えるからな」

ハーヴィーはすっと指を抜くと、マイクの体を反転させて、両手をカウンターにつかせた。そして、ナース・ワンピースの裾を捲り上げると、レースショーツをずらして、腰を突き出させる。

「や・・・ん・・・ちょっと・・・下着は・・・脱がせてもらえないの?先生?」

「こっちの方が可愛いからな。それに、注射なんだから、脱ぐ必要はないだろう?」

「んー・・・もう・・・」

ハーヴィーは自分の前を寛げると、十分に高ぶったモノをマイクに当てがった。そして、一気に腰を進める。

「はっ・・・んっ・・・」

ハーヴィーはマイクの背中に覆いかぶさると、その顔をマイクの顔の横に寄せる。そして耳元で囁く。

「大丈夫か?辛くないか?痛くないか?」

マイクは薄い目でハーヴィーを見ると、少しだけ首を左右に振ると否定した。

「だいじょぶ・・・先生の注射・・・気持ち・・・いい・・・」

にこりと笑いながら、マイクは指先でハーヴィーの髪に触る。ハーヴィーに嫌なことをされたり、コスプレさせられたりと、振り回されるマイクではあったが、結局は、この男を愛してる。何をされても許してしまう自分がいる。・・・これはゲームで、遊びで。でも、恋は本気だ。

「・・・お願い・・・もっと・・・奥・・・奥にお薬ちょうだい・・・スペクター先生・・・」

「ああ、いいだろう」

ハーヴィーは片手でマイクのウエストを捉え、自分に引き寄せると、ストロークを激しくする。空いた手では、マイクの太腿を撫でさすったり、レースショーツの中で膨らんでいるモノを揉みしだいたりしてやる。

「あっ・・・あっ・・・あっ・・・ああんっ・・・やっ・・・僕・・・本当に病気かも・・・」

「どうした?マイク」

「だって・・・も・・・何も・・・考えられないしっ・・・このままずっと、犯してて欲しい・・・そんなこと、願っちゃうくらい・・・変・・・」

「ああ・・・それは普通だ。マイク。病気じゃない」

「・・・そお?・・・」

「俺を愛してくれている証拠だろう?そこまで夢中になられると、俺も嬉しい」

上半身をカウンター預けているマイクに顔を寄せると、ハーヴィーは唾液がこぼれ落ちているその口を塞ぐようにキスをしてやる。

「んっ・・・んん~っ・・・」

爪先立ちになって、びくんっと体を強張らせた後、マイクの体は弛緩して、上半身をカウンターの預ける。その姿に満足すると、ハーヴィーもマイクの最奥に精液を注ぎ込んでやった。愛情という白い薬を。

「ハーヴィー・・・もう、さすがにベタベタして・・・気持ち悪い・・・脱いでもいいでしょ?」

「そうだな。着替えはあるしな」

「えっ・・・まさか・・・まだ、あるの?このレースショーツ」

「ああ。数色ある。まずは清楚系で白にしたが、ナース服の色に合わせてピンクもいいな。それとも、濃い赤も捨てがたいな。まあ、黒もいいんだが、せっかくアンダー・ヘアの処理もしたことだし、透け感のある薄いピンクがやっぱりいいか」

「・・・スペクター先生は・・・やっぱり変態さんです!!!!!!」

口を尖らせて文句を言うものの、眼鏡をかけた白衣姿のハーヴィーのは絶対に勝てっこないことも十分にわかっているマイクだった。だから・・・。

「・・・何色でもいいけどさ・・・今度は院長先生のオフィスっていう設定で、ソファでしよ?」

「その後は?」

「院長先生の愛人ナースっていう設定で、ベッド。どお?」

「いいな。聡いナースは大好きだ」

「でも・・・その後、ダラダラしてもいい?」

「いいだろう。ランチと夕食は、院長先生が自ら作ってやる」

「大好き。スペクター先生!」

「俺が?料理が?」

「両方!」

マイクは可愛らしく、ぺろっと舌を出すと、それからハーヴィーの唇に軽く口付けた。

END