「ねぇ、ハーヴィー。ハロウィンって何?どうして町中がオレンジとお化けかぼちゃだらけなの?でさ、なんか外を歩いてる人が変な格好してる。ドラキュラとか、魔女とか」
馴染みのダイナーで夕食を取りながら、マイクは小首を傾げてハーヴィーに尋ねた。
「・・・君は・・・ハロウィンを知らないのか?君たち天使に関係する祭りじゃないのか?」
「えー・・・ないよ、そんなの」
「ちょっと待て」
ハーヴィーはナイフとフォークを一度置くと、懐からスマホを取り出して検索した。すぐにヒットする。ウィキによれば、ハロウィンは古代ケルト由来の祭りとのこと。キリスト教的には異教徒の祭りであるらしい。
「なるほど。調べてみるものだな。確かにこれなら、天使の君が知らなくても当たり前だ」
ハーヴィーはスマホをマイクに渡し、画面を読ませた。
「ふんふん。・・・・・・ええっ!お菓子が貰えるの?ねえ、ハーヴィー!トリック・オア・トリート!」
スマホを返しながら、マイクが言った。
「残念だな。今はお菓子の持ち合わせがない。ああ、それと、お菓子が欲しければ、君は仮装をしなければならないんだぞ?」
「あ、そっかー」
「しかし、簡単だな。羽を出せばいい。天使の仮想だ」
「それじゃあ、素のままじゃん。・・・マリファナやれば、一発で悪魔の仮装ができるけど」
「それは却下だ」
「うん。僕もそれはしたくない」
「じゃあ、さっさと夕食を済ませて、部屋に帰るとするか」
ハーヴィーはスマホをしまい、再びナイフとフォークを手にした。マイクも慌てて食事を再開する。ここのダイナーでのハーヴィーとの夕食は最高だ。けれども、異教徒の祭にも興味がある。天使の仮想でいいのなら、羽はいくらでも出す。マイクはハーヴィーからどんなお菓子が貰えるか、とても楽しみだった。
天界から下界に堕ちて、最初は残念な生活だったが、今はとっても幸せだ。毎日の生活が充実している。もちろん、一番はハーヴィーその人なのだが、ハーヴィーを除くとすると、マイクの興味は断然食生活にある。天界にいるときは「食べる」という行為をしたことがなかったが、人間の世界で暮らすようになって「食事」という行為を覚えた。ハーヴィーがご馳走してくれる食事はレベルが高いので当然美味しいのだが、マイクはジャンク・フードが大好きだった。下界に堕ちて、最初に口にしたのがそういうものだったから、舌が味を覚えてしまったのだろう。ピザやハンバーガー、ポテトチップス。あまり食べるとハーヴィーが眉を潜めるので、控えめにしてはいるが、やっぱり大好物だ。もちろん、甘いものも。この間ドナと食べたパンケーキは絶品だった。山盛りのホイップクリームとフルーツに彩られた5枚のパンケーキ。けれども、その後で、ハーヴィーが焼いてくれたパンケーキも最高だった。マイクは料理が壊滅的にできないので(天使のスキルにはない)、どんな料理でも簡単に美味しく作ってしまうハーヴィーは凄いと常々思っている。「ああ、また、あのハーヴィー作のパンケーキが食べたいなぁ・・・」と思うのだった。
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当たり前のように、ハーヴィーの部屋に帰る。ハーヴィーはすぐにマイクを寝室に促した。
「君は天界では、どんな服を着ていたんだ?」
「んー、なんか、白くてゆるっとした感じの服」
「そうか。それなら、俺が用意した衣装で大丈夫だな。白だから」
「え?衣装があるの?天使の?」
マイクは目を丸くしてハーヴィーを見る。しかし、ハーヴィーはさっさとクローゼットに行くと、何やら綺麗な包みを持って出てきた。柔らかい淡いピンク色の包装紙で何かが包まれているようだった。
「さあ、これに着替えるといい」
包みをマイクに渡して、ハーヴィーは微笑んだ。
「え?あ、うん」
マイクは一度、包みをベッドの上に置くと、丁寧に包みを開いた。
そこから現れたのは。
「・・・・・・ねえ、ハーヴィー?あんまり、僕が物知らずだって思わないでくれない?それなりに人間界で暮らしてるから、僕にだってこれがなんだか、わかるよ!」
マイクが口を尖らせてハーヴィーを見る。しかし、当人は涼しい顔だ。
「仮装だからいいだろうが」
「でも・・・これ・・・女性用の下着じゃん!!!」
そう。包みの中に入っていたのは、透け感のある、白いキャミソール、パンティ、ニーハイソックス。それに、白いふわふわの猫耳だった」
「ハロウィンの仮装といえば、黒猫も定番なんだが、君は天使だからな。白猫天使。可愛いじゃないか」
「いやそのだからってさ!」
「天使は無性なんだろう?」
「今は、男性なの!」
「ふうん。着ないのか。じゃあ、ハロウィンは無しで、お菓子も無しだな。せっかく君が気に入ったパンケーキを焼いてやろうと思ったのに・・・」
「えっ!パンケーキ!?」
さっき、自分が食べたいと思っていたもの、そのものだ。
「そう。パンケーキ。しかもハロウィンスペシャルバージョン」
「う・・・うう・・・うううううううう」
「着るよな?」
「・・・はい。着ます。白猫天使になります」
「素直でよろしい」
「でも恥ずかしいから、着替えるときはあっちに行ってて!」
「まあ、いいだろう。酒でも飲みながら待つことにする。着替えたら、声をかけろ」
ハーヴィーは割と優しい口調で言うと、寝室を出て行った。それを見送り、マイクはベッドの上の衣装・・・もとい、下着に目をやる。
「えっと・・・こういうの何て言うんだったっけ?・・・ああ・・・女装だ・・・」
マイクは項垂れて、小さなため息をついた。
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「・・・これ・・・ほとんど裸じゃん・・・透けまくってる・・・」
白とは言っても、相当透け感のある素材だった。キャミソールもパンティもニーハイソックスも。特にソックスは、生地が薄いし長いので、破かないようにと気を使っていたら、やたらと時間がかかってしまった。ちらっと鏡を見たが、恥ずかしくて速攻で顔を背ける。
「あー・・・と、耳だ。猫耳をつけなくちゃ」
カチューシャタイプのふわもこの猫耳をつける。恥ずかしいので、鏡で確認するのはやめた。そして、最後に、背中に意識を集中する。肩甲骨のあたり。マイクは自分の意志で、翼を出し広げる。背中の広く開いたキャミソールなので、邪魔にはならない。そして、ゆっくりと折りたたんだ。それから、蚊の鳴くような声で、ハーヴィーを呼んだのだった。
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「ほう・・・完璧な白猫天使だな」
スコッチのグラスを持ったまま、ハーヴィーは、満足そうに言った。
「ハーヴィー・・・天界での服は、こんなに透けてなかったよ?これ・・・なんか、全部見えちゃってる・・・」
「それがいいんだ」
ハーヴィーはベッドに近づき、マイクの隣に座った。
「飲むか?」
「ちょうだい。恥ずかしくて、素面じゃいられないよぅ・・・」
マイクはハーヴィーの持っているグラスに手を伸ばしたが、ハーヴィーはそれを避けると、自分の口にスコッチを含んで、それを口移しでマイクに飲ませる。
「んっ・・・んぅ・・・」
コクリと一口、琥珀色の液体を飲み下す。
「ふっ・・・はぁ・・・もう・・・普通でいいのに・・・」
「いいだろう。胃に入れば同じだ。それよりも、合言葉は?」
「あ!そうだ!ハロウィンだもんね!・・・じゃあ、トリック・オア・トリート!」
「トリックだな」
「へ?」
ハーヴィーはグラスをサイドテーブルに置くと、羽を出しているマイクを横たえることはせずに口付けた。両手の指先はキャミソールの上から、マイクの胸の飾りを摘み弄り始める。
「んっ・・・んん?・・・んん~っ!!!!」
最初は「悪戯を仕掛けるのは僕の方じゃないの?それが嫌だったらお菓子ちょうだいじゃないの?」という思考がマイクの頭の中に流れたが、それも束の間で、すぐに与えられる刺激に脳が溶けそうになる。マイクは指先で、ハーヴィーのシャツを掴んだ。
「あ・・・ん・・・やぁ・・・だぁ・・・」
舌ったらずな声を出すのは、少しもどかしさを感じたからだ。もっと別な所に、もっと直接的な刺激が欲しい。マイクは体を捩った。
「どうした?」
合わせた唇の端からハーヴィーが問う。
「ふっ・・・も・・・意地悪・・・しないで・・・」
「意地悪?心外だな。悪戯をしてるだけだぞ?俺は」
「う・・・だからぁ・・・もっと・・・下の方に・・・悪戯・・・して・・・」
「わかった・・・もっと下・・・だな?」
ハーヴィーは右手の人差し指を、スーッとキャミソールの上から滑らせた。とても薄い生地なので、刺激は十分にマイクに伝わる。けれども、ハーヴィーの指は臍のあたりで止まってしまった。そして、白いキャミソールの上から、臍に指をクッと入れる。
「ひゃんっ・・・やっ・・・なんか・・・違うってば・・・あ・・・ああんっ」
初めての場所への刺激だったが、マイクは体を仰け反らせた。体の深部まで、指先で突き刺されたような感覚がある。快楽とは少し違う刺激。嫌ではないが、欲しいのはもっと別なところだ。
「・・・あ・・・は・・・ヴィ・・・」
マイクは嫌々とかぶりを振った。白い猫耳も揺れる。
「どうした?」
「ふぇ・・・違うの・・・」
「何が?」
「・・・う・・・もっと下・・・。お願い・・・意地悪しないで・・・」
マイクは自分の頬をハーヴィーの頬に擦り付けた。まるで、本物の猫がするような仕草だ。そして、ハーヴィの手を取ると、自分の下半身へと導いた。
「・・・この、淫乱天使め」
「・・・は、ハーヴィーのせいだもんっ。こういうの・・・ハーヴィーが教えたじゃないかぁ!」
「まあ、それもそうだな。その責任は取らないとなぁ」
ハーヴィーはマイクのパンティを少しずり下げると、立ち上がりかけているものを直接触ってやった。
「ひゃっ・・・あ・・・あ・・・い・・・いい・・・ん・・・」
マイクは満足気な喘ぎ声を上げ始めた。けれども、当然、後ろにも欲しくなる。マイクは膝立ちになると、自分の指を後ろへと回した。自分で後孔を、クッと左右に開く。本当なら、すぐにハーヴィーに挿れて欲しかったが、前への刺激も捨てがたい。だから、マイクはそっと自分の指を体の中に潜り込ませた。最近の自分は随分と欲しがりだと思う。腸液のようなもののせいで、指はすんなりと入って行く。
「一人遊びなんか、どこで覚えた?」
「んー・・・やだ・・・そういう意地悪、言わないでよ・・・。本当はハーヴィーが欲しいんだからぁ・・・」
「じゃあ、そう言えばいい」
「うう・・・」
マイクはトロンとした目をハーヴィーの視線に絡ませた。
「・・・ハーヴィー・・・ちょうだい?・・・僕の中に・・・入って・・・?」
「俺の大好きな悪戯だ」
ハーヴィーはマイクの腰を掴んで、自分の方へと引き寄せた。体を密着させると、ちょうど挿入しやすい体の位置になる。ハーヴィーは前をくつろげると、ゆっくりを自分の上にマイクを座らせた。当然、自分の屹立したものをあてがいながら。
全てが収まり、二人が一つになる。マイクは白いニーハイソックスに包まれた足を上げて、その膝をハーヴィーの体に絡ませる。ハーヴィーが動くと、マイクの白い足が’揺れた。ゆらゆらと。自重で完全に飲み込んでいるから逃げられない。もちろん、ハーヴィーが与えてくれる快楽から逃げるつもりなど全くないのだが。マイクは両手をベッドについて、上半身を仰け反らせた。それは無意識の動きではあったのだが、透けた白いキャミソールから見える乳首は、ハーヴィー的には絶景だった。小さな白いパンティからはみ出たマイク自身もゆらゆらと揺れている。その背中に生えている、真っ白な翼も。
「あっ・・・はっ・・・ああっ・・・いいっ・・・ハーヴィー・・・いいっ・・・ああ・・・触って・・・もっと・・・触ってぇ・・・」
そのリクエストに応えてやると、より一層、マイクの体は仰け反り、白い足がピンっと張った。
「あ・・・ダメっ・・いくっ・・・んっ・・・ああんっ・・・ひゃぁ・・・・ああああ~っ!!」
絶頂に達して、両手で体を支えきれなくなったマイクのウエストを掴み、自分の方へとハーヴィーは引き寄せた。そうしないと、美しい羽が潰れてしまう。そのままマイクの体を抱きしめると、ハーヴィーもマイクの中へと白濁を放った。その刺激を受けて、マイクの体は再度、ぶるりと震えた。
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ハーヴィーはゆっくりと自分自身をマイクの体から抜き、まだ微かに震えている体を横向きにベッドへと寝かせた。綺麗な白い羽を潰さないように。
「・・・水、飲むか?」
マイクは、コクコクと頷いた。
「待ってろ」
ハーヴィーはマイクから離れ、寝室を出て行った。
一方マイクは、いつもと違う感覚に、戸惑っていた。理由はわからないが、なぜだか普段よりも体が熱く火照っているような気がする。一度達したのに、もう自分の体の中にハーヴィーはいないのに、それなのに、何かが自分に刺激をやんわりと与えてくるような気がする。ただの余韻とは、少し違うような不思議な感覚。
マイクは身じろいだ。その瞬間、ペニスの先端がリネンを擦った。
「ひゃっ・・・あっ・・・」
マイクは、それだけで、再び達してしまったのだった。
「マイク、水・・・。ん?どうした?」
ベッドの上で体を震わせているマイクに近づく。
「や・・・見ないで・・・」
そう言われると、何があったか確認したくなるのが性質だ。ハーヴィーはリネンを見て、「おや」と思った。リネンに新しい染みができていたからだ。
「どうした。俺がいない間に、また一人遊びをしていたのか?」
「ちっ・・・違うもんっ!・・・そんなことしてないもんっ!・・・でも・・・体・・・熱くて・・・変・・・」
ハーヴィーは水を置くと、ニーハイソックスの上から、マイクの足を撫でさすった。
「ひゃっ・・・ひゃ・・・や・・・ダメっ・・・」
「ほう・・・あの、俗説は事実だったか」
「・・・ふぇ・・・な、何?・・・俗説?」
「ああ。靴下を履いてセックスをすると、1.6倍イキやすくなるらしいぞ」
「そっ・・・それで・・・ニーハイなのっ!?」
「気になったことは実証しないと気が済まないタチでな」
「僕で実験しないでよ!!!」
「仕方がないだろう。俺がセックスしたい相手は君しかいないんだから。違うか?」
「・・・違わない・・・。ハーヴィーが他の人とセックスするの・・・ヤダもん」
「じゃあ、俺のしたことは間違ってないな」
ハーヴィーはそう言ってから水を口に含むと、酒と同じようにマイクに飲ませてやった。
「ん・・・はぁ・・・美味しい。・・・でも・・・」
「でも?」
「・・・また・・・感じちゃう・・・もう・・・ニーハイ最強すぎ・・・」
「さて、またトリックにするか?それとも、トリートに?」
「・・・トリックって言ったら、はしたない?」
「いいや。白猫淫乱天使をもっと全身で愛でるのは楽しそうだ」
「・・・淫乱は余計だってばぁ」
「欲しいんだろう?」
「・・・欲しいよ・・・でも、ニーハイのせいだもんっ!」
「まあ、そういうことにしてやろう」
笑ったらマイクに押し倒された。マイクはパンティを足から抜き去り、ハーヴィーに跨る。
「もういいよ、淫乱でもなんでも。・・・今夜はめっちゃ悪戯してもらうよ!・・・でも・・・スペシャルパンケーキ、忘れないでね!?」
「任せろ。最高に美味いのを焼いてやる。しかし、まずは君を食べるのが先だな。白くて甘くて美味そうだ」
そう言って、キャミソールの中に手を潜り込ませる。そして平らな胸を撫で回した。それすらも、気持ちがいい。
「ねえ、ハーヴィー。僕ってそんなに美味しいの?」
「ああ。天使を食べるなんて経験はなかなかできないしな」
「・・・ふうん。・・・でも・・・僕を食べてくれる初めての人が貴方で良かったよ、ハーヴィー。だから・・・もっと、食べて」
マイクは体を屈めると、鼻先をハーヴィーの顔に擦り付けた。
「猫みたいだな」
「白猫淫乱天使なんでしょ?今夜の僕は。そういう仮装だもん」
「ようやく自覚したか」
「その方が、楽しいってことがわかった。だから・・・もっと気持ち良くして?」
「もちろんだ」
ハーヴィーは嬉々として返事をすると、再び、マイクの体を弄り始めたのだった。
Happy Halloween !