「なあ、マイク。サンタクロースっていると思うか」
「ねえ、ハーヴィー。あまり普通とはいえない幼少期を過ごした僕にそういうことを聞くの?でもまあ、ばあちゃんは、毎年クリスマスプレゼントをくれたよ。もちろん、サンタクロースの格好はしなかったけれどもね」
「まあ、俺も似たようなものだな」
「そもそも、ハーヴィーは生まれた時から、サンタクロースの存在なんか、信じてなさそうだよねぇ・・・」
ケラケラと笑いながら、マイクが言った。
「ふむ。それに関しては、否定はしない。しかしな。今は、いると思うんだ」
「え?まさかの宗旨替え?どうしたの?っていうか、フィンランドに手紙でも書いたの?」
「いや。ただ、サンタクロースはいるな」
「・・・何処に?」
「俺の目の前に」
そう言って、ハーヴィーはニコリと笑いながら、黒縁の眼鏡をかけたのだった。
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「ハーヴィー!!!!ちょっと!!!!何これ!!!!僕はせいぜい、ミニスカサンタだと思ったんだよ!!!なのに、これってば、がっつり、下着じゃん!!!!」
「しかし、ちゃんとサンタクロースを意識した色とデザインになっているだろう?サンタの帽子だって被ってる。ああ、やはり、白いニーハイソックスはいいな」
赤いサンタクロースの帽子はいいとして、上はフロント部分に大きな赤いリボンをあしらったブラジャー。下はスカートとは言い難い、ローライズの白いフリル付きな激烈ミニスカート風ショーツ。確かに生地の素材や色はサンタクロースをイメージしている。が、やはりどう見ても、どう着ても、ランジェリーである。そして、ハーヴィーの大好物である、白いニーハイソックス。
「さ、プレゼントを」
「持ってないよ!・・・まあ、それに関しては、本当に申し訳ないんだけど、貴方ってば何でも持ってるし、欲しいものは自分でクリスマス関係なく買っちゃうし、欲しいものを尋ねた時だって、『別に、ない』って返事だし・・・」
「しかし、持ってるだろう?俺にくれるプレゼントを」
そう言って、ハーヴィーはマイクを指差す。
「僕?」
「おあつらえ向きに、君の胸の中心には、大きなリボンが付いている」
「・・・・・・こんな、特別感のない、プレゼントでいいの?」
「君はいつだって特別だ。ほら」
差し出されたハーヴィーの手を、素直にマイクは取った。そして引き寄せられるままに、ハーヴィーの膝の上に座る。
「こういうプレゼントでも受け取ってくれるの?」
「マイク・ロスというプレゼントなら、いつでも受け付けている。ふむ。そういう意味では、年がら年中、俺は君からプレゼントを貰ってるな」
そう言って、マイクの唇を啄む。
「本当はさ、もうちょっと気の利いた、素敵な物を贈りたいっていつも思ってるんだよ?でもさ、僕の薄給じゃ、ハーヴィーが持ってる物を超えられる物ってあげられないんだよね。ちょっとしたマフラーとかさ、手袋とかさ、ネクタイとかさ・・・」
ハーヴィーのキスを受け入れながらも、唇の隙間からブツブツと言う。
「俺が君から欲しいのはそういうものではないからなぁ・・・。しかし、なんだかんだと、君は俺が用意した服を素直に着てくれるから、それが贈り物でいいんじゃないか?」
「服?・・・下着じゃん・・・」
「まあ、そう言うな」
サンタブラの下から指を入れて、マイクの乳首を摘む。
「んっ・・・あっ・・・」
マイクは思わず、目をキュッと瞑った。いつも弄られている場所故に、ちょっとした刺激でも感じてしまう。ハーヴィーと夜を共にした翌朝、ワイシャツで擦られるのだって困る時があるほどだ。
「あー・・・あ・・・」
いつの間にか、両方の突起をブラの中で弄られて、マイクはハーヴィーの肩口に顔を埋めた。額をその肩に擦り付けるようにして、快感に耐える。腰ももぞもぞと動いてしまう。
ハーヴィーは自分自身がプレゼントだと言ったが、いつも快感や快楽をハーヴィーから貰っているのは自分の方だ。やっぱり、自分はハーヴィーに何もあげられていない。どうしたら、ハーヴィーは喜んでくれるのだろう。何を貰ったら、ハーヴィーは嬉しいのだろう。
「・・・ハーヴィー・・・僕・・・やっぱり、貴方に何か、あげたいよ・・・」
感じながらも、ぽそりと呟く。
「・・・貰っている最中なんだがなぁ・・・」
ハーヴィーがくすりと笑って、片手をショーツの中に差し入れた。そこはすでに硬くなっていて、そのことにハーヴィーは満足する。自分が与える刺激で乱れるマイクは可愛らしい。それが十分すぎるほどの贈り物だということを、この部下はわかっていない。
「マイク。前でイくか?それとも・・・」
「・・・ハーヴィーは?どうしたい?すぐに入りたい?」
「そうだな・・・君が良ければ」
「じゃあ、後ろでイく」
そう言って、マイクはソファの上で膝立ちになった。ハーヴィーの首に腕を絡め、上から見下ろしてくる青い瞳は潤んでいて可愛らしい。ハーヴィーはショーツを脱がさずに、ずらして後孔を指で探った。指で左右に広げて、指を1本だけゆっくりと差し込む。
「ふっ・・・あっ・・・」
「痛くないか?辛くは?」
「へ・・・平気・・・、んっ・・・なんかね・・・最近、ローションとかなくても・・・わりと平気・・・なの・・・それよりも・・・・早く・・・欲しい・・・」
ああ、こういうところだ。と、ハーヴィーは思う。無自覚なのだろうが、マイクはいつもハーヴィーの望み通りの嬉しい言葉をくれる。最高の贈り物。
ハーヴィーは自分の前をくつろげると、その切っ先をマイクに当てがった。それを感じ取ったマイクがそろそろと腰を下ろし、ハーヴィーをゆるゆると飲み込む。本当にそこは、たいして馴らしてもいないのに、温かくハーヴィーを包み込んでくる。
「んっ・・・はっ・・・あ・・・ほんと・・・ハーヴィーのって・・・いっつもおっきいよね」
「壊れそうか?」
「んーん。そんなことない。ハーヴィーの広げられるの・・・好き・・・。動いても、いい?」
どうやら、サンタランジェリーのことは、マイクの頭の隅に追いやられてしまったらしい。けれどもハーヴィーは自分の目の前で揺れ動く、赤いランジェリーを纏った体を堪能する。頭の上でゆらゆらしている、赤いサンタ帽子が滑稽でもあり、可愛らしくもある。
最高のクリスマスだ。
「マイク」
「ん?なあに?」
マイクが薄く目を開けてハーヴィーを見る。
「互いに快楽を堪能したら、街へ食事に出かけよう。レストランを予約してある」
「・・・いいけど・・・僕、普通の格好でいいんだよね?」
「当たり前だ。特別な格好は、俺の前だけだ。他の誰にも見せない。俺だけの、だからな」
「・・・ハーヴィーだけの・・・。ふうん。・・・それ、いいね。何だか、特別感がある」
「そうだろう?そうやって、君はいつだって、俺に特別な贈り物をくれるんだ。だから、何もあげられないとか、自分を卑下するのはやめてくれ。俺はいつだって君から特別なものをもらってる」
「・・・そうだね。変態さんなハーヴィーはこの部屋の中だけでいいよね」
「変態は余計だ」
ハーヴィーが下からマイクの体を突き上げる。
「ひゃっ・・・あんっ・・・!」
食事に出かけるのは、もうしばらく後になりそうな二人だった。
Happy Merry Christmas !