「は・・・あ・・・ああっ・・・あんっ・・・そ・・・そこ・・・ばっかり・・・」
居間のソファに座ったハーヴィーに立ち膝で跨りながら、マイクが喘ぎ声を小さな文句を唇から紡ぎ出す。両手の指は、ハーヴィーのシャツに縋って、軽く握り締めている。ハーヴィーの右手は、ゆるっとしたジェラートピケのショートパンツの中へと侵入している。いや、それどころか、指を一本だけ、マイクの内部に潜り込ませて、さっきから前立腺だけを押しているのだ。
「嫌いじゃ、ないだろう?」
「・・・気持ちいいけど・・・ん・・・でも・・・あ・・・はぁ・・・」
堪えきれなくなって、マイクは額をハーヴィーの肩口に当てる。ウサギの耳がハーヴィーの頭にすっと当たる。マイクの膝がガクガクしてくる。そんなマイクに対してハーヴィーは指の数を1本増やして、ぐっと広げて掻き混ぜた。
「ひゃっ・・・んぅ・・・」
マイクは指から逃げるように体をハーヴィーに押し付ける。そして、立ち上がった自分自身を、ショートパンツ越しにハーヴィーに擦り付けた。ハーヴィーの左手は、マイクの体を支えるだけで、刺激は後ろにしか与えてくれないからだ。もっと眼鏡をかけたハーヴィーの顔を見たいのだが、なかなかそれもできない。後ろに与えられる刺激と、もっと欲しい前への刺激。だから、マイクは自らをハーヴィーに擦り付けることで、快感を得ようとしている。柔らかいふわふわの布地に包まれた自分を押し付けながら、マイクは頭の中がクラクラするような感覚に襲われる。
「随分と、蕩けた表情をしてるな」
「・・・貴方の・・・せいじゃん・・・一人じゃ・・・こんなんにならないよ・・・はぁ・・ハーヴィー・・・も・・・ダメ・・・辛い・・・」
「痛かったか?」
「違う・・・も・・・イキそう・・・イきたい・・・」
グイグイと体をハーヴィーに押し付けながら、マイクが小さな声で訴えた。
「いいぞ。好きな時にイっても」
「う・・・そういうんじゃなくてぇ・・・やぁ・・・もぅ・・・」
ハーヴィーのシャツを掴むマイクの指に力が篭る。体をよりいいっそう密着させて、少しでも前に刺激を得ようとする。後ろでは相変わらず、ハーヴィーの指が遊んでいる。
「あっ・・・はっ・・・あああああっ・・・・」
小さな、嗚咽ような悲鳴を上げて、マイクは背中を仰け反らせて、ショートパンツの中に精を解き放った。口の中動く、マイクの赤い舌が、妙に綺麗だと、ハーヴィーは思った。
脱力したマイクが、体重をハーヴィーに預ける。それを嫌とも思わず、ハーヴィーは受け止めていた。自分の目の前にあるウサギの耳が電池で動くようなものにしたら、より一層可愛かったかな・・・などと考えながら。
「んー・・・ハーヴィー・・・これ、脱いでいい?なんか、濡れて、ベタベタして・・・気持ち悪い・・・」
「せっかく可愛い尻尾がついているのに・・・もったいないなぁ」
クスクス笑いながら、ハーヴィーが言う。
「やだよ・・・」
マイクは指をショートパンツのウエストに引っ掛けた。
「で?脱いだら、どうするんだ?もう、終わりか?」
「ふ・・・うう・・・意地悪・・・」
全てが高揚して、白目の部分がうっすらと赤みを帯びている。まるで、本物のウサギみたいだ。それでも、ハーヴィーは自分の指をマイクの指に重ねるようにして、ショートパンツを脱ぐのを手伝う。ふわもこのニーハイソックスは脱がさないように気を付けながら、浮かせたマイクの足からゆっくりとショートパンツを抜いていく。その柔らかな布地で、濡れたマイク自身を綺麗に拭ってやることも忘れなかった。
「んんぅ・・・」
そんな刺激にも過敏にマイクの体は反応する。ハーヴィーはショートパンツを脱がせてやると、それを床に落とした。マイクは、片手でふわもこパーカーの裾を引っ張って、自分を隠した。
「隠すんだな」
「当たり前じゃん。僕は貴方と違って、変態さんじゃないの!」
「随分と俺を変態呼ばわりするな」
「だって、そうじゃん。メイド服とかウサギ耳とか・・・この・・・変態!」
「それも含めて、俺のことが好きだろう?」
「うっ・・・ひ、開き直ったね!もうっ!」
唇を尖らせて文句を言うが、それを聞くハーヴィーは涼しい顔だった。
「それで?ベッドに行くか?それとも、このままここで?・・・足りないだろう?」
口角を綺麗にあげて笑う眼鏡姿のハーヴィーは、いつもより眼差しが柔らかく見える。眼鏡というフィルターを通しているからだろうか。マイクは、小さくため息をつくと、「ここで」と呟いた。
「ちゃんと、ハーヴィーのが欲しい・・・」
「いい子だ」
ウサギの耳をつけた蜂蜜色の髪に指を差し込み、自分に近づけると、軽く開いた唇に舌を忍び込ませる。ウサギは、クチュリと素直に舌を絡めてくる。と同時に、パーカーから手を離して、ハーヴィーのベルトを外し、スラックスを寛げる。マイクの好きなようにさせながら、ハーヴィーは唇と舌を味わう。そろそろとマイクの指がハーヴィーに添えられ、姿勢を整えると、ゆっくりと腰を下ろす。さっきまで指で解されていたそこは、難なく、ハーヴィーを根元まで飲み込んだ。ふうっ・・・というマイクの吐息が合わさった唇の端から漏れた。
「マイク・・・指を・・・」
マイクはあまり意味がわからないまま、ふわりと両手を宙に浮かせた。すぐにその指がハーヴィーの指に絡め取られる。所謂、恋人繋ぎ。
「動けるか?」
「うん。・・・動く」
マイクはハーヴィーに顔を寄せ、チュッと、口付けるとすぐに体を離し、上下に動き始めた。手を繋いだまま。いつものように、ハーヴィーの手が自分の体を支えてくれるわけではないので、安定感がない。揺れる。ふらつく。倒れないように、ソファに付いた足でバランスを取る。しばらく動いて、感覚を掴み、少し余裕が出て来た頃に、マイクは閉じていた目をそっと開けた。目の前に満足そうな表情をしたハーヴィーの顔がある。
「な・・・に?」
「上手に動いて頑張ってるな・・・と、思ってた。ウサギの耳が揺れて可愛いぞ」
「・・・ハーヴィー・・・ウサギ派なの?」
「いや。可愛いマイク派だ」
手を繋いだまま、ハーヴィーがマイクの体を下から揺らしてやる。
「あんっ・・・はっ・・・きゅ・・・急に動かないで・・・」
それでも、指で前立腺を責められた時とは違う、充足感がある。自分がハーヴィーで満たされているという感覚だった。それだけで、パーカーに隠れている自分自身もまた、高ぶってくる。
「ねぇ・・・貴方に、また眼鏡をかけて欲しいって言ったら・・・今度は・・・どんな格好をさせられるわけ?僕・・・」
「そうだな・・・今度は、チアガールにでもなってみるか?」
「・・・やっぱり・・・ハーヴィーは変態さんです」
「可愛いじゃないか、ミニスカートで」
「何さ・・・もっと頑張って動いてって、応援すんの?ポンポン振って?」
「それもいいな。だったら、俺もいつも以上に頑張って悦ばせてやる」
「僕・・・普通でいいんだけど・・・。でも・・・眼鏡のハーヴィー・・・うーん・・・捨てがたいし・・・」
「本当に君は眼鏡が好きだな」
くっくっと喉奥で笑うハーヴィーの目尻に皺が寄る。それが結構、セクシーだったりする。マイクの好きなところの一つだった。
「ねえ・・・後で、ベッドでもしよ?」
「いいぞ。いくらでも付き合ってやる。どうせ、明日も休みだ」
「ん・・・」
繋いだの手の甲に口付けて、マイクは再び自分から動き始めた。うっすらと目を開けてまま、眼鏡をかけた、優しげなハーヴィーの顔を見つめながら。
END